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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 以前は東野圭吾を100冊近く読み漁ったりしていた私ですが、すっかりNET中毒になってからは書物を手にすることはありませんでしたが、吸い込まれるようにこの本を手に取りました。 その理由は、仕事がら生きづらさを抱えながら心を揺らしていく若者と、寄り添ってきた時間がここのところ多かったせいかもしれません。彼らは10代という「感受性がまき散らされる」ように広がっている中で、必死にアンテナを立てて生きています。 この小説はそんな彼らの、親をはじめ近しい大人には決して見せない生々しい日常の描写に溢れています。部屋を片付けられなかったり、一つのことに執着してそれに全身全霊を注ぎほかのことができなくなる。 主人公あかりにとって「推し」は決してビジュアルだけで追っかけているのではないことが、この小説の中では重要です。自分を投影でき、自分を奮い立たせることのできる存在として描かれています。 誰しも何かしらの心の拠り所を持つことは自然なことであり、私も当然そうです。そういう存在があることは実は命を繋いでいくモチベーションだったりします。 ですのでラスト数ページはあかりが自死してしまうのではという不安が当然頭をよぎります。それでも彼女は「綿棒」によってその感情を引き取り次に進んでいきます。 読んでいて息苦しくなるとともに、その一つ一つの心の呻きがリアルでした。同世代の似たような感情を抱く人たちはもちろんのこと、思春期の青年と向き合うことの多い大人に広く受け入れられるであろう作品です。 Amazonにもレビューしました。 |
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